- PDF文書の非アクセシブルな状態を解決する方法がなかったから
- Acrobat Reader自体の起動が遅い
- プラグインである
といった理由からWebでPDFを使うべきではないとされてきた。
これだけ言われながらもなぜ使われるかと言えば、PDFを作成できるソフトがインストールされていれば、簡単な手順で作成が可能だからだ。
それに、Reader側も多くのプラットフォームで対応しているからだ。WordをはじめとしてたMS社製のOfficeソフトは必ずしもインストールされているとは限らないし、対応プラットフォームも限定されている。StarSuite、OpenOffice.orgなどの代用品はあるが互換性の問題がまだある。インストールされていても、バージョンの違いで読めない場合もある。
従って、印刷を前提として、できるだけ多くの人に視覚的に整形された文書を使ってもらう場合は、PDFがベターな回答になってしまう。
Webにあげるのを前提とするのなら、HTML化すればいいじゃないかという声はもっともではある。しかし、残念ながら、MS社製のOfficeソフトでHTML化した場合、「とりあえずInternetExplorerで閲覧できるようににしましたー」というレベルでしかない。Webにあげるのなら、最低でもHTMLのクリーンアップ作業が必要となってくる(Office HTML Filterなどのソフト)。これだけでも単にPDFを作る場合の2倍の手間がかかる。まともなHTMLにするなら、もっと手間がかかる。
Adobeは、アクセシブルなPDFを作るための方法を、http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/solutionsacc.htmlで紹介している。その中のPDFファイル「アクセシブルなAdobe PDFファイルの作成] によると、以下の手順を踏むことになる。
- Word側で構造化された文書の作成
- タグ付きHTMLの作成
1.の「Word側で構造化された文書の作成」というのが、非常にくせ者だ。日本ではパラグラフライティングを学校教育の中で学ぶことはほとんどない。したがって、文書構造を意識して作成するという習慣が身に付いていない人が多い。
それ故、Word文書を作る際に、印刷レイアウトモードで文字の大きさを変えているだけというのがほとんどだろう。
Word側で構造化された文書の作成をするためのポイントをいくつか示している。
- 「スタイル」コマンドをつかってテキストのフォーマットをする
- ドキュメント内のテキストには代替テキストを設定する
- 段組にする場合には「段組み」コマンドを使う
- 表は「表の作成」コマンドや「罫線を引く」ツールを使う
最初の「スタイル」コマンドをつかってテキストのフォーマットをするは、アウトラインモードで文書構造を決めてしまってからの方が楽だ。印刷レイアウトモードで入力の都度に設定をするのは非常に面倒。
PDFのアクセシビリティを考慮する場合は、PDF化する元となるOffice文書を作る段階から意識しないといけない。それは、HTML化する場合でも同じことだ。Adobeがいくらソリューションを提示したところで、制作者の意識が足りないのなら、閲覧者側からの「PDFはアクセシブルではないから(ry」の声が大きなままだろう。
