先月末、日本IBMの広島支社でWebアクセシビリティ講習会を受けてきました。
そこで、紹介されたのが、「ソーシャルアクセシビリティ」なのだが・・・、残念ながら、コミュニティの力で何とかできるレベルではない。
仕組みとしては、
- 音声環境を使っている人が閲覧できないページがあれば、ソーシャルアクセシビリティサーバへ報告する
- ボランティア側にソーシャルアクセシビリティサーバから通知が行くので、自分ができる範囲で修正用ツールで修正して、ソーシャルアクセシビリティサーバへ送信する
- 音声環境を使っている人は、修正済みの通知を受け取ったら、問題のあったページに再度アクセスし、ページ内の情報を得る
音声環境を使っている人向け報告用のツールだが、以下のいずれかを導入する必要がある。いずれも、FlashPlayer9.0以上がインストールされていないと利用できない。
- Social Accessibility Installer(たいていの音声環境に対応、XPのみ)
- JAWSスクリプトインストーラー(JAWSのみ)
- ブックマークレット(たいていの音声環境)
音声環境だけのユーザにとっては、ソフトのインストールは非常に難しい。現実的にはブックマークレットを使うのがよいかと思うが、これすらも慣れていないと困難である。
ボランティア側なのであるが、まずFirefoxをインストールしなければならない。
というのは、修正ツールがFirefoxの拡張だから。
Firefoxのインストールが終わったら、拡張をインストールするわけだが、拡張を全くインストールしたことのない人にとってはこれまた困難な作業である。おそらく、ヘルプなしでは無理。
拡張をインストールするのだけど、インストール直後の状態では勝手に拡張をインストールできないようになっている。ここでつまずいている学生ボランティアが多数いた。
拡張を配布しているサイトからのインストールを許可しなければならない。右上の方に「許可」のボタンが出るのだが、これに気づかないのだ。
なんとかインストールしたと思ったら、修正ツールをどうやって表示するのかが分からないということも判明。メニューに「ソーシャルアクセシビリティ」追加されているので、そこからサイドバーを出す。
また、リクエストがどこに表示されるかが分からない。実は、ブラウザの右下の方に出るのだが、IME等で隠れているケースが散見された。
それと、肝心の修正だが、これは単に代替テキストを入れればいいというモノではない。「適切な」代替テキストを入れなければ、却って音声環境を利用しているユーザの理解を妨げるものになる。
見出しをどこにつけるかも、適切に考えないとユーザビリティが低下する。(見出しジャンプ)
一番困るのは、「適切な報告がされないこと」だ。修正をしたくても、報告から何をすればいいのかわからない。
一般的なソフトウェアなどでもテスターが不具合報告書を書くわけだが、不具合報告書の内容がきちんと書かれていないと、開発側は再現・デバッグ・修正が困難になる。
つまり、ボランティア側にはそれなりのアクセシビリティについての知識が要求されると言うこと。
ページの全体を把握して、それをふまえて適切な代替テキストや見出しをつけることが要求される。
ゲストでも参加できるので、IBM ID取得はは本格的に参加を考えてからでもよいかと思う。
このプロジェクト、ページ単位でしか修正できないという非常に致命的な欠陥を持っている。
ソーシャルアクセシビリティサーバ内で、DOMをつかってalt属性を付け加えたり、見出しを振ったりしているので、サイト全体に対してというのができない。
楽天やYahoo!ショッピングなど、CMSで生成されるショッピングサイトの場合、商品の入れ替えも激しい。モグラ叩きにすらならない。
また、ショッピングサイト以外でもCMSで生成されるページの数が莫大になっている以上、ボランティアの力だけでどうにかしようという考えが通用しない。
結局の所、CMSを設計する、サイトを作成する際に、設計・制作する側がアクセシビリティについて考えるのがもっともいいのではないのかと。
